ダイヤは地球深部からの手紙…
ダイヤモンドは「地球からの贈り物」とよく言われますが、「地底からの手紙」という表現は聞いたことがあるでしょうか?ちょっとロマンチックですよね。
どうしてダイヤが手紙なの?かと言うと・・・
これは実に科学的な意味がこめられた表現なんです。
殆どのダイヤモンドにはインクルージョン(内包物)と言われる、ダイヤが地球のマントル内部で形成される際に混入する不純物があります。ダイヤの4c品質ではクラリティランクで示される項目にあたりますが、インクルージョンは少ないほど高品質になります。
でも、このインクルージョンこそが地球深部より届いたお手紙の重要文書!?なんです。
地球の下部マントル、地下深部というのは人類が実際に到達したことはないので(研究は進んでいますが)まだまだ謎な部分が多いのです。
そこで注目されたのが、マントル内部で結晶化したダイヤモンド。
ダイヤは一度結晶化すると安定化し、マグマ噴出時にグラファイト化しない限り、原石の状態を保ち続けます。
ダイヤとその中に取り込まれたインクルージョンは「マントル鉱物のかけら」でもありますから、これらを調べることで地球深部の起源などの情報が得られる・・・というそうなんです。科学者にとってはインクルージョン皆無の高級ダイヤより、インクルージョン入りのダイヤが貴重だったりするんだそうですよ。
しかも、ダイヤモンドは何十億年も前に誕生した鉱物なので、”地球深部より悠久の時を超えて届いた手紙”とも言えそうです。ロマンチックすぎ?笑
宝石の美しさや価値でみるとダイヤモンドのインクルージョンは「不純物」として嫌がられますが、偶然か必然か…ダイヤ内部に入り込んだ何十億年前の地底の物質・・・と思うと、ちょっと違った視点で捉えることができますよね。